2012年8月31日金曜日

通信線路H21-2Q1(2)(ⅲ)

[伝送線路の減衰特性]
① 導体中を流れる電流は、その周波数が高くなると導体内を一様に流れるのではなく、導体表面に集中し、電流密度は、表面から深くなるに従って指数関数的に減衰する。この現象は、表皮効果といわれる(正しい)。

② 導体の抵抗は、近接効果などのため高周波になるほど増大し、また、漏れコンダクタンスも誘電体損失のため高周波になるほど増大する。これらにより、一般に、減衰定数は周波数の1/2(ルート)に比例して増大する。

③ 減衰定数を小さくするためには、抵抗と漏れコンダクタンスを小さくすることが必要であり、そのためには、導体径を大きくすること、絶縁物の誘導体損失を大きく小さくすることが有効である。
 ・漏れコンダクタンスG=ωCtanδであり、誘導正接tanδは、誘電体での損失割合を示す。よって、漏れコンダクタンスGは、誘導正接tanδに比例する。

線路における減衰量が最小になる無ひずみ条件は、RC=GLであるが、実際の伝送線路においては、RC<GLであるので、Cを大きくするかLを小さくすると減衰量は減少する。ただし、Rは抵抗、Cは静電容量、Gはコンダクタンス、Lはインダクタンスを示す。
 ・線路における減衰量が最小(ゼロ)になる条件は、R=Gである。
 (覚え方)
 お笑い芸人のRGは面白くない。だから、R=Gにして、お笑いの減衰量を最小にする必要がある。