[通信ケーブルの誘導電圧軽減対策など]
強電流施設による誘導には、静電誘導と電磁誘導の二つがある。
静電誘導は、強電流施設の近傍で発生する現象で、その誘導源は電圧成分であり、通信ケーブルに遮へい用の金属シースを設けるなど比較的容易な対策で防護が可能となる。
静電誘導を減少させる対策として、原因物から十分な距離をとる、接地を行う、地下化するなどの方法がある。
一方、電磁誘導は、電流成分を誘導源とする現象であり、その影響範囲は広く、かつ、対策もかなり困難である。
電磁誘導を減少させる対策として、強電流施設との相互インダクタンスを減少させる、遮へい係数を減少させる、大地に対するインピーダンスを高くして平衡度の改善を図る、遮へい線と通信ケーブル間の相互インピーダンスを増大させるなどの方法がある。
電磁誘導の一例としては、1線地絡事故などで送電線に不平衡の大きな事故電流が生じた場合、地絡電流が大地帰路電流となって流れるため、隣接する通信線に異常時誘導縦電圧が誘起されるものがある。