2012年10月8日月曜日

通信線路H24-1Q4(1)

[光パルス試験器(OTDR)の機能、特徴など]
 OTDRの測定原理は、パルス発生器で発生した電気パルスをLDにて光パルスに変換後、光カプラを通して被測定光ファイバに入射すると、被測定光ファイバ中を伝搬した光の一部がフレネル反射やレイリー散乱によって入射端に戻ってくることを利用しており、この戻ってきた光信号を光カプラを介してAPDで電気信号に変換することにより光ファイバの特性などを測定するものである。一般に、入射端に戻ってくる光信号は微弱なため、計測に際しては繰り返し測定して得られた値を平均化する処理を行う。
 被測定光ファイバの距離は、実際に光ファイバ中を伝搬する光信号の速度と、光信号が入射端まで戻ってくるまでの経過時間から求められ、光ファイバ中を伝搬する光の速度は光ファイバの群屈折率により定まる。
 OTDRでは、光ファイバの伝送損失、光コネクタ接続点及び融着接続点の接続損失、光コネクタ部の反射減衰量などが測定できる。伝送損失は測定データから直線近似法の最小2乗法で、接続損失はフレネル反射点前後の伝送損失の差分から求めることができる。
 OTDRの測定におけるデッドゾーンには、反射測定(フレネル反射)デッドゾーン及び損失測定(後方散乱光)デッドゾーンの2種類がある。反射測定デッドゾーンとはフレネル反射のピークレベルから1.5[dB]での幅をいい、損失測定デッドゾーンとは光コネクタ接続箇所からフレネル反射の影響による応答波形で、真値から±0.5[dB]以下のレベルの箇所までの接続損失などが測定できない幅をいう。

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