2012年10月9日火曜日

通信線路H22-2Q4(1)

[光ファイバの伝送特性の測定技術について]
 光ファイバの伝送特性を示す主要なパラメータは、損失、伝送帯域、波長分散などであり、特に長距離伝送システムでは、偏波モード分散などの偏波依存特性を知ることが重要である。
 光ファイバの損失特性の測定は、光の減衰量を直接測定する方法と、光パルスを入射したときに発生する後方散乱光強度の距離特性から測定する方法に分類される。
 光の減衰量を直接測定する方法としては、カットバック法と挿入損失法があり、カットバック法は、主に製品検査など厳密な測定時に用いられ、測定誤差を少なくするには、光の入射時に励振される漏洩光がカットバック長で十分に減衰している必要がある。また、マルチモード光ファイバの光損失は、励振モード分布に大きく依存して変化する。
 挿入損失法は、光ファイバを切断せずに測定できるため、カットバック法を適用することが難しい布設工事後の伝送路の光損失を測定する場合などに用いられる。
 一方、光ファイバの伝送帯域は、モード分散、構造分散、材料分散などによって決定され、マルチモード光ファイバにおける伝送帯域測定法には、変調信号光を用いた周波数領域における方法と光パルスの時間領域の波形ひずみから測定する方法などがある。

励振とは、小さな振幅の刺激によって、大きな振幅の振動が引き起こされることをいう。

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