2012年8月29日水曜日

通信線路H21-2Q2(2)(ⅲ)

[光ファイバの損失要因]
① ガラス材料が持つ固有の吸収損失である紫外吸収は、波長0.1[μm]近くに損失ピークを持ち、赤外吸収は、0.94[μm]、1.24[μm]及び1.38[μm]10[μm]付近に損失ピークを持つ。また、不純物による吸収損失としては、水酸イオン(OH-)によるものがあり、その損失ピークは、0.94[μm]、1.24[μm]及び1.38[μm]10[μm]付近にある。

②光ファイバの材料固有の損失であるレイリー散乱損失は、融解状態のガラス材料が熱的な揺らぎを残したまま固化することにより生ずる屈折率の揺らぎに起因するものであり、レイリー散乱損失の大きさは波長の4乗に反比例する(正解)。

③構造の不均一性による散乱損失とは、クラッドと被膜コアとの境界面に存在する微小な揺らぎ、すなわち凹凸に起因する損失であり、理想的に真円でかつ長手方向に均一な完全に円筒状のクラッドが形成できないことにより生ずる損失である。

④マイクロベンディングロスは、光ファイバの側方からの不均一な応力による光ファイバ軸の微小で不規則な曲がりによって生ずる損失であり、光ファイバの軸方向の収縮による座屈でも発生するでは発生しない
 なお、座屈とは、たわみのことをいう。
 光ファイバがたわんでも、曲がりが生ずるため、やはり、マイクロベンディングロスが生じる。

通信線路H21-2問2(2)(ⅱ)

[光ファイバの構造パラメータ]
A マルチモード光ファイバの特性を表す基本的なパラーメータである遮断波長は、マルチシングルモードとなるための最小限の波長をいう。

B シングルモード光ファイバの構造を決定するパラメータの一つである、モードフィールド径は、光強度分布がガウス型で近似できるとき、光強度(光パワー)が最大値に対して1/e^2になるところの直径をいう。

C マルチモード光ファイバの構造を決定する要因の一つである屈折率分布には、SI形とGI形がある。SI形はGI形GI形はSI形と比較して、各モード間の伝搬時間差を出来るだけ小さくするために開発されたマルチモード光ファイバである。