2012年9月20日木曜日

線路設備H21-2Q1(2)(ⅳ)

[光ファイバの種類と特徴など]
① 広帯域伝送特性を必要とする大容量伝送方式の線路設備では、伝搬モードを一つにすることによって波長モード分散を無くしたシングルモード光ファイバが使用されている。
・波長分散=材料分散+構造分散

② マルチモード光ファイバは、シングルモード光ファイバと比較して、伝送帯域が狭く、コア径が大きく小さく、吸収損失が同じである小さいことから、一般に、構内のLANや機器間の短距離伝送に用いられている。

③ 高密度波長多重伝送路には、ゼロ分散シフト光ファイバのほか、光電効果非線形効果による伝送品質への影響(WDM波長どうしの干渉)を小さくするため、非ゼロ分散シフト光ファイバを使用することがある。
http://tough-swingfx.blogspot.jp/2012/09/blog-post_20.html
・ノーマル光ファイバ(1310nmで分散がゼロ)
     ↓伝送損失の改善
・ゼロ分散シフト光ファイバ(1550nmで分散がゼロ)
     ↓WDM波長どうしの干渉による伝送損失あり
     ↓WDM波長どうしの干渉を回避
・非ゼロ分散シフト光ファイバ(1530nmまたは1565nmで分散がゼロ)






④ 光ファイバが曲げられると生ずる曲げ損失は、光ファイバのクラッド部分に空孔を設け、光の閉じ込めを強くした空孔アシスト型光ファイバなどで抑えることができる(正しい)。

波長分散

 波長分散とは、光の波長によって伝搬する速度が異なるために生じる分散をいい、材料分散と構造分散が存在する。

零分散波長

 零分散波長とは、光ファイバの材料分散を構造分散によって打ち消すような波長をいう。
【解説】 1.3 μm伝送用のシングル・モード光ファイバでは、1.3 μmの近傍で材料分散と構造分散が相殺して全分散が零となる。このような波長が零分散波長である。しかしながら、1.3 μm零分散光ファイバを用いた場合、ほぼ500Mbps以上の高速伝送においては、伝送損失の点から中継間隔を拡大できないことがある。こうしたことから、零分散波長を1.3 μmから1.55 μmにシフトして伝送損失が最小となる分散シフト光ファイバ(DSF: dispersion shift fiber)が開発されて、中継伝送路に用いられている。