2012年9月25日火曜日

線路設備H23-1Q3(3)(ⅰ)

[コンクリート柱の劣化など]
A コンクリート柱の斜めのひび割れ横のひび割れは、コンクリート柱がねじれによるせん断力を受けたときに生ずることが多く、横のひび割れ斜めのひび割れと比較して、強度低下のおそれが高く、コンクリート柱の早急な取替えが必要である。

B コンクリート柱ののひび割れは、支線の設計強度不足などでコンクリート柱に不平衡の過大な荷重を与えた場合に生ずることが多い。
・縦のひび割れの原因は、コンクリート柱の鉄筋が腐食の進行により体積膨張することで生じ、これによりコンクリートが浮き上がり剥離することがある。

C コンクリート柱の製造は、通しの鉄筋に緊張圧縮力を与え、生コンクリートを注入して高速回転による遠心力でコンクリートを締め固める。これにより、ひびが入りにくく耐久性の高いコンクリート柱になる。

線路設備H23-1Q2(2)(ⅳ)

[とう道の劣化について]
 洞道(とうどう cable tunnel)は通信ケーブル・ガス管・送電線などの専用管路トンネルのうち、特に敷設・撤去・保守作業用に人が立ち入れる管径のものを指す呼称。

① とう道の壁に生成される白色物質は、コンクリートの中の水和生成物(水酸化カルシウム(消石灰)や硫酸塩)消石灰がコンクリートの亀裂から流出し、空気中の酸素と反応して生成される炭酸カルシウムである。

② コンクリートの中の消石灰がコンクリートの亀裂から流出し、地中水に置き換わると、コンクリートの中は次第に中性化アルカリ化し、鉄筋は腐食しやすくなる。
・健全なコンクリートはセメントから遊離された「消石灰」を多量に含むため、一般にPHは12~13という強アルカリ性である。
・コンクリート構造物は中性化しているうちは強度を保っているが、これを通り越して酸性になると強度を失い崩壊してしまう。
・鉄筋は、健全な(中性化していない)コンクリート中ではOH-が多量に存在しているために錆が発生する事はない。しかしながら、OH-が減少するとCl-(塩素イオン)が不動態被膜(新しい鉄筋の表面についている青黒い被膜)を破壊し、鉄筋の錆が発生する。

③ とう道の鉄筋の腐食は、鉄筋かぶりが極端に浅い深い場合に発生しやすい。
・鉄筋かぶりの厚さ(深さ):鉄筋表面からこれを覆うコンクリート表面までの最短距離

・かぶり厚さが少ないと鉄筋に 沿ってひび割れが発生したり、鉄筋が腐食するという劣化現象が発生


④ とう道の鉄筋を腐食しにくくするには、浸透性防錆材をコンクリート表面に塗布し、鉄筋まで浸透させ、防錆被膜を形成することにより、錆の発生を抑制する方法がある(正しい)。

線路設備H23-1Q2(2)(ⅱ)

[マンホールの劣化など]
① マンホールの壁が黒色に変色する原因としては、地下水に含まれている鉄やマンガンの酸化物、水酸化物などが挙げられる(正しい)。

② 硫化水素でコンクリートが侵食されるおそれがあるマンホールは、定期的にコンクリート壁の劣化、中性化などを調査する必要がある(正しい)。

③ マンホール内の金物の腐食には、異なる種類の金属材料が電気的に接触して生ずる異種金属接触腐食、狭い隙間の内部に生ずる隙間腐食などがある(正しい)。

④ マンホール内の金物のバクテリア腐食は、微生物の作用によるものであり、有機被膜による絶縁防食犠牲防食、又は流電陽極による犠牲防食絶縁防食、あるいはそれらを併用することにより金物の長寿命化・延命が可能である。