以下、送信側と受信側(検波側)を説明する。
[送信側]
送信対象であるデータ信号cosθm(t)を、搬送波cosωtに乗せて送信。なお、データ信号cosθm(t)は、θm(t)=0のときビット列"0"に、θm(t)=πのときビット列"1"に対応。
つまり、搬送波cosωtを、データ信号cosθm(t)で位相変調し、その変調結果cosωt・cosθm(t)を送信。
[受信側]
(同期検波)
1.変調結果cosωt・cosθm(t)を、受信信号cosωt・cosθm(t)として受信。
2.受信信号cosωt・cosθm(t)から搬送波cosωtを再生。
同期検波では、搬送波の再生を行う複雑な再生回路が必要であり、リアルタイム性を要求される移動体通信において不利。
3.受信信号cosωt・cosθm(t)と搬送波cosωtを混合(乗算)する。
つまり、cosθm(t)・cosωt・cosωt=cosθm(t){cos(ωt-ωt)-cos(ωt+ωt)}/2
=cosθm(t){1-cos2ωt}/2
4.混合信号cosθm(t){1-cos2ωt}/2をLPFにかけると、cos2ωtがフィルタリングされ、LFP後の混合信号cosθm(t)/2、つまり、元のデータ信号cosθm(t)(の1/2)が出力される。
(遅延検波)
同期検波とは異なり、例えば1ビット前の
つまり、
1.変調結果cosωt・cosθm(t)を、受信信号cosωt・cosθm(t)として受信。
2.復調済みの受信信号cosω(t-1)・cosθm(t-1)
遅延検波では、搬送波を再生する複雑な再生回路が不要であるので、リアルタイム性を要求される移動体通信に適用されることが多い。但し、過去の搬送波cosω(t-1)を用いるため、同期検波と比較してビット誤り率が高くなる。
3.受信信号cosωt・cosθm(t)と搬送波cosω(t-1)を混合(乗算)する。そして、混合信号をLPFにかけ、LPF後の混合信号、つまり、元のデータ信号が出力される。