2012年10月1日月曜日

専門H21-2Q4(2)(ⅳ)

[設備劣化とその対策など]
① 地下ケーブルのポリエチレン外被に生ずる環境応力亀裂(ESC:environmental stress cracking)は、一般に、ケーブルの円周方向に発生する。ESCの発生要因としては、高温、塩素イオンアセトン、アルコールなどが挙げられる。この対策としては、ケーブル布設時に外被に傷を付けないことがある。
・ESCは、アセトン、アルコールなどの物質の膨張圧力によってポリエチレン分子の結合力が破られて発生する。
・ESCを防ぐ方法としては、分子量の多いポリエチレンを使用する、ケーブル布設時に座屈を生じさせない、管路清掃を行いケーブル外被に傷が付かないようにする。

② 寒冷地において、ケーブル引き上げ点、橋梁添架などの管路が大気中に露出している箇所で管路内の溜水が凍結すると、体積膨張によりケーブルに過大な力が働き、傷や座屈が発生することがある。対策方法の一つとして、PEパイプを挿入することにより、凍結圧をPEパイプで吸収する方法がある(正しい)。
・PE(ポリエチレン)パイプ


③ 管路に布設されたケーブルが移動する原因として、車両通行に起因する振動がある。このケーブルが移動する現象は、ケーブルクリーピングダンシングといわれる。この対策として、機械的にケーブル移動を止める方法やケーブル移動量に見合ったケーブル余長を設ける方法などがある。

④ 架空ケーブル及び地下管路ケーブルのうち特に橋梁添架管路区間など、温度変化の激しい区間では、ケーブルの温度伸縮によりケーブル接続部が破損する場合がある。この対策として、ケーブルクロージャのケーブル挿入部に、ケーブルの伸縮を吸収するための伸縮見合い(のスラック)継手を設ける方法が採られている。
・スラックとは、たるみのことをいう。

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