2012年9月19日水曜日

線路設備H23-2Q3(2)(ⅱ)

[接続部における光ファイバの切断などの原因と対策]
① 光ファイバ心線の被膜除去作業時において、清掃していない被膜除去工具を用いると被膜の除去深さに狂いが生じ、刃が光ファイバ表面を傷つけてしまい、傷が経時的に成長して断線する場合があるため、工具を清掃して使用する必要がある(正しい)。

② 光ファイバ心線の接続作業時において、光ファイバの切断にニッパを用いると光ファイバの切断不良が原因で光ファイバが断線する場合があるため、切断面を球面状に成形して光ファイバのコアどうしを精度良く接触できる光ファイバカッタを使用する必要がある。
・切断面を球面状に成形して光ファイバのコアどうしを精度良く接触できるのは、融着機(融着接続機)である。

③ 端面が汚れた光コネクタを接続すると、光信号が汚れにさえぎられ、伝送特性が劣化する場合があるため、光コネクタの端面を光コネクタクリーナなどを用いて清掃する必要がある(正しい)。

④ 熱収縮スリーブを用いて融着接続部を補強・固定するとき、光ファイバにねじれが加わったまま固定すると、応力が徐々に加わり、破断に至る場合があるため、熱収縮スリーブを加熱する前にねじれがないことを確認する必要がある(正しい)。
・熱収縮スリーブとは、加熱により、径方向に収縮するチューブをいう。

線路設備H23-2Q3(1)

[線路設備の劣化の要因とその対策について]
 線路設備の長期信頼性を確保するためには、初期における機械的強度だけでなく、経年劣化を考慮した材料選定を行う必要がある。特に、屋外環境で使用される部材では、使用環境に応じた材料選定を行うことが重要である。
 屋外環境において、プラスチック材料は、紫外線に長期間さらされると、分子鎖の切断により強度劣化が生じ、割れやすくなる。これを防ぐため、屋外で使用するケーブル外被材料などには、紫外線領域の光を吸収するカーボンブラックなどの材料が含有されている。
 金属材料は、水と酸素に長期間さらされると、一般に、酸化還元反応により腐食が進行する。金属材料は、イオン化傾向が高いほど腐食しやすく、また、金属材料の腐食の進行は、どの程度安定で緻密な酸化物の皮膜が表面上に形成されて水と酸素を遮断することができるかにも影響される。
 架空線路設備の吊線などに使用される鋼材は、鉄を主成分としているため、その防食対策として、亜鉛をめっきして緻密な腐食生成物の皮膜を形成し、腐食速度を遅らせる方法が広く用いられている。

・亜鉛は、比較的、イオン化傾向が低いのかな?多分。