2012年10月4日木曜日

線路設備H21-1Q2(2)(ⅲ)

[光ファイバの分散の種類、特性など]
① 波長が長くなるほど光ファイバ材料の屈折率は小さくなるため、伝搬速度が速くなる特性により生ずる分散は、材料分散といわれる。材料分散は、モード分散と同じように伝送帯域を制限する要因となる(正しい)。

② 光ファイバのコアとクラッドの屈折率差が小さい場合、光の一部がクラッドにしみ出すことにより生ずる分散は、構造分散といわれる。このしみ出しの割合は、波長が長くなるほど大きくなり、伝搬経路は長くなる(正しい)。

③ 構造分散材料分散よりも変更の容易な構造分散材料分散の値を変えることにより、ゼロ分散波長を1.3μm帯から1.55μm帯へ移した光ファイバは、1.55μmゼロ分散シフト光ファイバといわれる。

④ 光ファイバのコア形状が製造上などの理由により、わずかに楕円化している場合に、二つの直交偏波モード成分間に伝搬時間差を生ずることによる分散は、偏波モード分散といわれる(正しい)。

通信線路H21-1Q2(2)(ⅱ)

[光ファイバの光損失の特徴など]
A 吸収損失は、伝搬光が光ファイバ材料そのものにより吸収されて熱に変換される損失であり、一般に、ガラスが本来持っている紫外吸収や赤外吸収に起因する固有の吸収によるものと、ガラス内に含まれる不純物に起因する吸収によるものとがある(正しい)。

B 光ファイバは、製造時において、2,000[℃]程度の高温から20[℃]程度に冷却されるため、わずかな屈折率のゆらぎが生ずる。この屈折率のゆらぎによって生ずる光損失は、光の波長の4条に反比例2乗に比例する。
・これはレイリー散乱の説明である。

C 光ファイバどうしを接続する場合、コアを互いに正確に突き合わせることが重要であり、接続部において隙間が存在すると大きな反射が生ずる場合がある。この反射は、一般に、フレネル反射といわれる(正しい)。

通信線路H21-1Q1(2)(ⅲ)

[漏話の軽減方法などについて]
① 平衡対ケーブルの漏話は、任意の2対間の静電結合及び電磁結合によって生ずるが、音声回線の周波数が高周波である場合には、静電結合は微小な値であることから、静電結合による漏話の軽減方法を考慮する必要はない。
・周波数と特性インピーダンスは反比例
・低周波→特性インピーダンス高い→静電結合が支配的
・高周波→特性インピーダンス低い→電磁結合が支配的

② ケーブル内の各対の2本の導線を撚ることにより漏話は軽減でき、隣接する対どうしで撚りピッチを変える同一にすると、撚りピッチを同一にした変えた場合と比較して大きな軽減効果が得られる。

③ 信号の伝送方向(設備センタからユーザ方向又はユーザから設備センタ方向)ごとに心線をそれぞれ別々のケーブルに分けて収容しても、漏話妨害が遠端漏話と比較して大きい近端漏話を軽減する効果はあるない

④ 平衡対ケーブルにおける漏話減衰量は、高周波になるに従い、一般に、オクターブ当たり遠端漏話では6[dB]、近端漏話では4.5[dB]の減少傾向を示す。また、遠端漏話減衰量は、線路長が長くなるに従い増大するが、近端漏話減衰量は、線路長には無関係である(正しい)。