2012年8月31日金曜日

線路設備H21-1Q1(1)

[光ファイバによるバックボーンネットワークシステムについて]
 大都市を結ぶ伝送路は、大量の情報をやりとりすることから、伝送容量も極めて大きい。このような伝送路は、通信ネットワークのバックボーンを形成することから、基幹伝送系といわれる。
 バックボーンネットワークシステムは、基本的には光ファイバケーブル、送信器及び受信器で構成される。送出された信号は、伝送媒体固有の損失により、伝搬するに従って次第に減衰するため、長距離伝送システムでは、SN比が一定値以下とならないように適当な間隔に中継器を設置する。
 伝送距離が長くなると、光ファイバケーブルや中継器などの設備が増え、伝送コストが増加する。また、一人が1本の伝送路を占有して情報を伝送する方式は莫大なコストを要するため、複数(N)人で伝送路を共用し、伝送コストを1/Nとする方法が用いられる。これを多重伝送という。
 多重伝送では、多重化された信号相互間で干渉が起こらないように、周波数領域あるいは時間領域などで多重・分離操作を行って、1本の伝送路で複数の通信路を確保している。このような独立の通信路をチャネルといい、一度に多重可能なチャネル数は、多重度といわれる。